京大受験旅行記 1日目

2020.02.24.Mon

バスと新幹線を乗り継いで京都へ。

最寄り駅の駅舎が4畳のわたくしにとって、京都駅はあたかも1つの町であります。よくお見かけしますね、とお店やさんに挨拶する数およそ3たび。今ではすっかり顔なじみであります。駅内で過ごすこと半時。

やっと伏見稲荷に行く許可がおりまして、市バスでがたごと揺られます。

 

中学校以来の伏見稲荷大社であります。

既にお昼の時間ですので、門前の日野屋さんで鯖寿し(3巻 700円)、はな屋さんでいなり寿司を購入します。屋台が立ち並び、縁日なのかしらん、日常なのかしらん、と思いながらてくてく進んでいくとお社が現れます。途切れることなく写真を取り続ける人々を横目にお寿司をぱくぱく食べます。おいしいなぁ。お腹もいっぱいになったところで、さァ山登りです。知らない旅行者さんたちとオレンジ色の中へ勢いよく進んでいきます。
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ずんずん進むとおもかる石に到着。願いながら持ち上げるとなんと、予想通りの重さ。意外なことでありました。思うより安く叶うことはなさそうです。驚いたことに一本道ではなく、何度となく脇道に逸れながら歩を進めます。
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そうしてずんずん、ずん、ずん、進む、と、頂上に到着。お参りをしておみくじをひくと2番大大吉。

 われたのむ 人の願いを 照らすとて

 うきよに残る みつのともしび

と。

わたくしはいつも大吉しかでんのです。

そうして今度は軽やかに下って参ります。ころころいくと、あっという間に四ツ辻です。無類のしょうが好きのわたくしは、しょうが入り甘酒(450円)に誘われて一服。家でも試してみようと決意するのです。おかみさんのおおきに〜、を背にまた歩みだします。一気に下ると鳥居がなくなり、人が減ります。稲荷さんの民家に立ち入ると、黒ねこがこちらを見つめています。f:id:ShiChi:20200301195615j:image

帰り道に醤油アイスとぬれ煎餅をいただきます。本当に濡れているんです。七味味について売り子のかわいいお姉さんに尋ねると、先っちょだけつけてくれました。オイチイ。
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市バスで移動、京都駅をすいすい進み、地下鉄で四条堀川にあるホテルにいきます。小粋なお部屋にワクワク。京大へ下見に。

京大の周りをぐるりと回って正面玄関から時計台へ。あたりは地図も読めないほどすっかり暗い。正門に近づき、はっと息を飲む。京都大学のプレートが光を放っている。いや、京大そこ一帯が眩しい。巨大な楠は根元からライトアップされ、時計は魔法の時間を示すように光る。わたくしのカメラはパシャパシャとなりやまない。ずっと見ていられそうです。恍惚とするわたくしを、時は当たり前のように置き去りにしていくのです。
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四条通で市バスをおり、黒髪の乙女のように意気揚々と木戸町に踏み出します。わたくしはそこでまず高瀬川の浅さに驚きます。頼朝公の御恩と対をなすかのような浅さでありました。東へおれて先斗町へ。大人の小さなものがたりの世界のように思われます。橙の光が石畳を照らし、艶やかに優しく往くものを迎えます。
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MIMASUYAさんというイタリア料理屋さんに立ち寄りました。まずは京都食材の生麩、モッツァレラをスモークサーモンも湯葉で巻いた京ロールと紅茶をいただきます。舌触りが滑らかで大切にゆっくり食べたくなります。
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それから、今日のスープであるグラタンオニオンスープ。オニオンスープに大きな麸、その上をグラタン風に仕上げています。
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店内には2人組のお客さんが多く、それぞれに会話を楽しんでいます。お店の方がお皿を下げに来ると料理の感想を述べるのです。感想を言うといいのかも!と新たな学びを得ました。

最後に手作りケーキを頼むと今日はリンゴのタルトでした。美味しかった。
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四条大橋で爪弾く若者たちの音楽を楽しみ、八兵衛明神に会いに行きます。小さな入り組んだ道のりを進んだ先の柳小路で慎重に歩を進めると、彼らが現れます。
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初めて出逢えた喜びと感動と嬉しさと喜びでわたくしはにやけるのを我慢できず、剰え踊ります。わたくしの奇妙な踊りを、過ぎ行くおじ様たちはわたくしと共に踊りたいと、口よりよく言う目をしておりました。ひとしきりわたくし流踊念仏を済ませると、有名にならないうちに四条通りを伝って堀川のホテルに戻ります。
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すっかりお疲れですがシャワーを浴びて寝る支度をします。皆様また明日ご一緒致しましょう。𖠚ᐝ