結婚式場にて幸せに埋まる

2020.03.07.Wed

結婚式とは、幸せなひとときである。

何事においてもそうであるが、実感できるのはその場に居合わせて、自らの目で見、人々のざわめきが自らの身体を震わせる、臨場感があって初めて「幸せ」という実態が目の前に現れ、小さな心臓が真っ赤な血潮を身体中に勢いよく押し出そうとする。「結婚式」という同じ括りでまとめられるものでも、内容は1つ1つが異なる。当たり前なことなのかもしれない。だが、その当然たることを人が目の当たりにしたとき、幸福という空気、水、いやジェル状の何か、恰も臨界点に達した世界の中に押し込められる。

 

新郎新婦にとってその瞬間は一生に1度だけである。その瞬間に、2人の人生の中で多くの文脈を共有してきた人々が集う。人生における幸福の象徴ではないか。そこで働き、その時を共有させて頂くことができるわたくしでさえ、これほどの幸せを頂けるのだから、当事者たちにとってはどれほどのものであろうか。わたくしの涙が頬を伝ったとしてもしょうがないというものだろう。COVID19の予防のためにマスクをつけていたのはそれが明るみに出ないための僥倖でありましょう。

 

さて、わたくしは今日から結婚式場で働き始めた。すなわち本日が初勤務であったわけである。想像した以上に、ひたすらくるくると料理のお皿を出し入れし、歩き続け、お客様にご案内をした。共に働く人の名を一生懸命覚える。パートナーの山田さん、新人教育の森川さん、今日朝教えてくれた今井さん、歳が近い喜島さん、美人でかっこよく私が憧れる下村さん、専門学校生太田さん   …まだまだたくさんの人がいる。

新人は仕事を増やす存在である。その事を意識しない訳にはいかないのだ。だが、全ての人が通る道であることもまた、真実である。従って、今すべきことは、分からないことを積極的に尋ね、周りをよく観察し、行動して、一刻も早く、正確な仕事ができる、戦力となる従業員になることである。

 

仕事を持つようになって実感したことは、容易い職業などない、ということだ。自分のために勉強してきた今までとは違い、できる仕事のレベルも年齢も何もかもが大きく異なる人々と協力しあって、ひとつのものを作り上げなければならない。新しい出会いがあって、色々な人がいて、その中で仕事をこなさなければならない。わたくしは世の社会人たちとそこに含まれる両親や先生に深い敬意を抱く。

 

医者として働くようになったら、ということを考える。きっと今と同じような段階を通ることになるはずなのだ。すぐには戦力となりえず、他者の足枷になるばかり。たが、その立場を乗り越えてやっと1人前になれる。今、たくさんの経験をしておくべきなのだ。そうして強くなれる。人を見れるようになれる。マネージャーや下村さんは人の指導がうまい。私への指導を的確にし、仕事を与えてくれる。それをわたくしがこなせることによって、できることが増え、自信にもなる。わたくしもいつかそんな教育者になりたいとも思うのだ。

 

*音楽ができたらこんなところで演奏できるなあ。

*花の勉強をして冠婚葬祭に用いられる花の名や特徴を知りたい。

 


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