京大受験旅行記 4日目

2020.02.27.Thu

最終日の朝。目が覚めるのが早い。4:59。疲れているはずなのだが。まだまだ外は暗い。

今日はホテルからおさらばせねばならんので、荷物をまとめます。ホテルのフロントに荷物を預け、朝ごはんを摂ります。

市バスで河原町まで行き、歩いて早朝の京都の町並みを楽しみます。白河通りは、正しく京都の町並みという美しい風景が見られます。
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花見小路に入ると写真撮影が不許可の地区となります。建仁寺に突き当たり、東に真っ直ぐ行くと、東大路通に出てさらに真っ直ぐ行くと、石塀小路の入口が見つかります。人ひとりがギリギリ通れるくらいの、入っていいのかな、と躊躇するくらいの入り口なんです。恰も隠れ道のような、知る人ぞ知るファンタジーが生まれる異世界のような場所であります。しかし、散歩する人もいて、住む人々にとってはありふれた景色なのだなぁ、と思いました。それを抜けると、ねねの道にでます。地図を片手に首をくるくる動かして歩きます。八坂の塔を眺め、安寧坂へ。
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8:30という開店時間前ということもあって、お店は閉まったままで人も少なく静かです。カラスが力強くゴミ袋にかける網を引っ張っています。
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清水坂も人が少ないです。更には清水寺もがらがらです。行く予定はなかったのですが、余りの空き様にお参りすることにしました。3度目となりますが、つまり京都に来る度にきているのですが、何度来てもいいです。
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参道を歩いていると、大粒の霧雨が突然降ったり、そうかと思えば日が差してきます。後に寄ったかんざし屋さんによると、京都の天気は山の天気と同じなのだそうです。音羽の滝では外国人のガイドさんの説明を聞きました。英語が聞き取れるだけで楽しいです。てくてく行くと、お茶屋さんがあります。京都に来たら飲みたいと思っていたお抹茶を頂きました。じっくり味わっていると、うぐいすの声が聞こえます。もう春なのですね。
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茶わん坂をくだりつつ、わたくしの習字の先生へ差し上げる湯呑みを探しました。あるお店の人に相談すると、普段の私ではありえないほどのスピードで決まりました。六瓢という柄の清水焼です。無病をかけ、縁起物だそうなのです。残り1点ということで、お店の人はご縁ですね、と言っていました。とても親密に優しく穏やかに相談に乗ってくれて、わたくしは幸せでした。お店の商品の中には、中にカエルや亀がいるユニークな湯のみもありました。
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それから例のかんざし屋さんに寄り、快活な店員のお姉さんとお話ししました。清水坂を上り、家族の希望通り、開いたばかりのお店で八ツ橋を買います。試食もはむはむと美味しくいただきます。

 

五条坂を下って六波羅蜜寺に向かいます。日本史で有名な空也さん会いに行きます。ほんとうに口から菩薩様が出ているのです。繋いでいるのは針金だそうです。教科書では正面からしか撮られていませんが、ここではガラス越しに多様な角度から眺めることができます。他にも平清盛像などもあって、見応えがあります。室内のテレビでは現代に伝わって行われている踊念仏が放映されており、日本史で学んだことが、ここで初めて実体をもって知ることができました。さほど大きくはない展示会場なのですが、見ていて楽しく、かなりの時間を過ごしました。庭にはわたくしにとって実にタイムリーな無事かえるがいて、ホッコリとし、自分の痛いところを撫でるなで牛もいて、ワクワクします。ここは1人もいいですが、家族や友人と訪れると良い観光スポットだなぁ、と思いました。

ここで知ったことなのですが、京都検定なるものがあるそうです。3級からで、取れば宝物庫を無料で見ることもできるようです。挑戦してみるのもたのしそうだなぁ、思いました。京都についての知識も増えそうですしね。

 

続いて六道珍皇寺に行きます。ここの井戸にはカエルに化けて、皆の相談に乗る矢二郎がおります。このお寺は参拝方法が面白く、覗くのです。閻魔様の像を小窓から覗き、井戸も遠くから覗くのです。鐘も突けるのですが、初めはどうやって突けば良いのか分からなかったです。引くとくゎーん、と鳴りました。満足。
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京都で有名なフルーツサンドを食べに行きます。再び五条坂の信号まで戻って、市川屋珈琲に行きました。趣のある扉を開き、カウンター席に座ります。市川ブレンドコーヒーと季節のフルーツサンドを頼みました。目の前で作っているところが見れて、わたくしは興味深くじっ、と見つめておりました。今回のフルーツは3種の柑橘系の果物が入っていました。お店の人によるとおよそ1ヶ月ごとに果物が変わるそうです。味は、と言いますと、クリームが甘すぎず、柑橘類の甘みが引き立っており、美味しいです。コーヒーは今まで飲んだ中で最もおいしかったです。わたくしの好みでもあったとも言えましょう。甘くて飲みやすかったです。ミルクや砂糖を入れることなくブラックで味わいました。お店の雰囲気もよく、また来たくなるお店でした。
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五条大橋で弁慶と牛若丸を見て、河原町通を通って四条へ。
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最後に1度だけ柳小路の八兵衛さんにお会いします。なむなむ。また次回京都に来た時には必ずお会いしたいです。

 

ホテルで荷物を受け取り、市バスで京都駅に行きます。
f:id:ShiChi:20200303155600j:image(どこにでもいる鳩たち。)
いよいよ京都も最後です。名古屋駅で乗り換えるバスの時間も考えて、新幹線のチケットを買うのに一生懸命で、感慨に浸る間もありませんでした。ですが、新幹線の窓から外を眺めると、京大受験の完全なる終わりが告げられ、京都との別れがじわじわと感じられるようになって、寂しさを覚えるのでありました。

 

ほんとうはもう少し遅く帰る予定でありましたが、COVID19騒動や母の心配もあり、早めの帰宅となりました。名古屋でも上手く乗り継ぐことが出来、無事我が家へ帰還しました。この4日間忘れ物や怪我もなく無事に過ごせて良かったなぁ、と思います。交通機関の利用の仕方やお店での振る舞い方など、意図せずして身についたと思いました。

 

わが愛すべき都市、京都。今回、大学受験という機会を通して、京都に住むことは叶わなかったのですが、逆にそれによって、わたくしの聖地であり続けられるようになったのではないかと思います。住まずに旅として訪れるからこそ、常に新鮮に心を踊らせて訪れることができるのではないかと思うのです。𖠚ᐝ